2009年11月26日木曜日

歌謡祭の哀感





湧いてきた感情があまり好ましくないものであるときに,それを言葉にすることは

よしとしません。

ことにブログや掲示板のようなネット上の書きこみは,このむと好まざるとに関わらず,

不特定多数の方が受け手となるメディアです。自分の感情に走り,独断に傾き,

無責任に言葉を投げ出してはいけないと胆に銘じてはいます。


しかし・・,今夜は氷川きよしさんが登場した瞬間,呆気にとられてしまいました。

もちろん,氷川さん自身には何の落ち度も他意もなく,ましてや彼は福岡出身,

デビュー当時から応援している気持ちの良い若者です。



が,しかし,だからこそ,しかしです。

あの編集に憤懣やるかたないと記せば,せっかく出演交渉していただいたのに申し訳

なく,かといってこのまま出演できて良かったねと終わりたくはなく。



ミヤネ屋取材の5人の様子,そうしてこの本番の演出構成,そっとしておいてあげた

ほうがよかったのかと悲しくなったことを,そう思った誰かの代わりに書こうと思い

ました。独りよがりかもしれませんが,母は悲嘆に暮れていたので,母の思いを代弁

するブログとして,今日は進まぬ気持ちを奮い立たせて書き込みました。



八木重吉さんの詩を思い出しました。


愛のことばを言おう

ふかくしてみにくきは

あさくしてうつくしきにおよばない

しだいに深くみちびいていただこう

まずひとつの愛のことばを言いきってみよう




祖国では一緒に行動することすら不可能な状況にある5人が,海を超えた瞬間に

何事もなかったかのように幸せそうにふるまうことなんてそれこそ偽りです。

ありのままのあなた達の想いが画面から伝わって胸が痛くてしかたなかったけれど,

それでも,ステージをつとめあげた5人の仲間たち。

甲子園球児に負けないよ。

あんなに劇的でなくヒーローインタビューもなかったけれど。

感情も言葉も表に出せない束の間のステージだったけど,

胸の奥にとどめてこらえて声だけを振り絞って,頑張ったよ,本当に頑張ったよ。



今夜の東方神起の眠りのうえにどうかどうかひとときの安らぎがありますように。