2009年6月9日火曜日

76歳のビギスト



石原裕次郎
坂東玉三郎
ペ・ヨンジュン
そして東方神起のユノ

我が家の壁を飾ってきた歴代の佳人たちである。

「なんといっても姿が美しい。」
昭和ひとけたの母が言う。

芸事を好み若い時分から槍を担いで黒田節を舞い,
越路吹雪が好きだった母は粋を愛する。

裕次郎と聞くだけで今も涙ぐむけれど,
うつせみの魅力には抗いがたい。
玉三郎のたおやかな所作に心酔し,
八千代座から南座までをひた走る。
韓流には先駆けて乗り,ヨン様グッズを求めて
明洞を丸二日歩き回った。
ヨン様のものごしの上品さを称賛し,
隣の裕次郎に「ごめんね」と言いながら
ひとまわり大きいポスターを貼った。

韓国ドラマに昭和の日本を重ねたのだろう。
儒教的精神を忘れていない青年俳優たちの清々しさを讃え,
ハングルを覚えて,食べたいものは韓定食というようになった。


そして・・・・
よもやまた,齢七十五を超えてから
こんな出会いがあろうとは(母の弁)。
東に神が起きたもうたのである。

日本舞踊の竹原はんさんにも傾倒していたが,
切れ味の良い今風のダンスが大好きで,
アイリッシュダンスに夢中になったこともある。
常々,日本の若手ではキムタクが一番で,
ナンバーワンはマイケルジャクソンだと言っていた。


そこへ東方神起である。
ユンホである。
今,人生のカウントダウンに入った母の生活は,
ほぼ100%ユノを中心に回っている。

なんと美しいことか。長くしなやかな手足,軽快なステップ,
どこからみても品が良く切れ味鋭い天才的なダンステクニック。
ああ,ユノのように踊れたら!

母の中で初めてマイケルジャクソンを超えたスターの誕生である。


福岡,広島と続いたコンサートを終え,生きがいも希望も潰えた母は
来年までは生きられない気がするという。
生まれ変わったら関根勤さんと一緒に東方神起に入るらしい。

0 件のコメント: